「ワイン価格設定 飲食店」で迷うオーナー・店長が先に整えるべきなのは、グラスを安くすることでも、ボトルを高くすることでもありません。最初の一杯を頼みやすくし、料理が進んだ時に次のグラスか共有ボトルかを自然に選べる価格の階段を作ることです。
たとえば、グラスだけが目立ち、ボトルの選択肢や違いが見えないメニューでは、「今日は一杯だけでいいか」と注文が止まりやすくなります。反対に、料理・人数・味わいを基準に案内できれば、価格差をただの高低ではなく、楽しみ方の違いとして伝えられます。
この記事では、原価率の目安を一律に当てはめず、グラスとボトルをどの順番で並べ、スタッフに何を共有するかを整理します。まずは主力の3銘柄だけで、注文が止まる場所を確かめてください。
判断に使った情報は、メニュー変更の理由と一緒に共有メモへ残します。公的な案内、仕入れ先の条件、自店の1週間の記録を分けて書けば、参考資料の数字を自店の正解として扱わずに済みます。
なお、2025年版など発行年のある資料を参照した場合は、確認日も記録します。税表示や衛生管理のように更新される可能性がある情報は、変更前に公式ページの最新版を確認し、店内の手順へ反映してください。次の見直し日も共有メモに書きます。
価格設定は「安い順」ではなく選びやすい順にする
ワインリストを価格だけで上から並べると、初めてのお客さまは自分に合う一杯を見つけにくくなります。店にとっても、スタッフが値段以外の説明をしづらくなり、「どれがいいですか」と聞かれてから担当者を呼ぶ流れになりがちです。
まず、グラスとボトルにそれぞれの役割を与えます。グラスは好みを確かめる入口、ボトルは同じ料理を囲む二人以上がゆっくり楽しむ選択肢、と決めると、価格差に説明が付きます。
値段を決める前に、次の三つがメニュー上で連続して見えるかを確認しましょう。これが、頼みやすい価格帯の設計図になります。
| 役割 | お客さまが考えていること | 店内で整える表示と案内 |
|---|---|---|
| 最初のグラス | 重すぎない一杯から始めたい | 味わいと合わせやすい料理を一言で添える |
| 次の一杯 | 料理が変わったので別の方向も試したい | 白・赤・泡の違いではなく、酸味・果実味・軽さを短く示す |
| 共有ボトル | 二人以上で同じ料理に合わせて飲みたい | 何人ならボトルが合いやすいか、料理との相性をスタッフが案内する |
ここで大切なのは、すべての銘柄に細かな説明を増やさないことです。最初はグラス2本と、その延長に置くボトル1本だけで十分です。スタッフが迷わず言える範囲に絞るほうが、価格表が実際の注文につながります。
グラスとボトルの間に「次の選択」を置く
グラスの合計額とボトル価格を単純に比べさせるだけでは、お客さまは損得の計算に集中します。店が伝えたいのは、どちらが得かではなく、今の人数・料理・滞在時間にはどちらが合うかです。
そこで、メニューを作る時は、グラスのすぐ隣か同じ説明の近くに「同じ方向で共有しやすいボトル」を一つ置きます。グラスとボトルが離れたページにある場合でも、スタッフ用の共有メモには対応関係を書いておきます。
案内は、値段から始めません。たとえば「前菜と一緒に軽く始めるならこちらのグラス、メインまで同じ方向で楽しむならこのボトルもあります」と、料理と楽しみ方を先に伝えます。価格を聞かれた時は、表示どおりに答えた上で、量や合わせ方の違いを補います。
店内表示の価格を作る際は、税込・税抜の基準を混ぜないことも基本です。消費者へあらかじめ価格を示す場合の総額表示については、国税庁の「総額表示」の案内を確認し、自店のメニュー表示と会計の扱いをそろえてください。
グラスを入口にするか、共有ボトルを勧めるかの判断基準
価格帯の設計は、客単価を上げる言い回しではありません。お客さまの状況を早くつかみ、合わない提案を避けるための準備です。オーダー時に全員へ長い質問をする必要はありません。
スタッフには、次の三点だけを確認する型を渡します。答えにより、グラスを続けるか、ボトルも候補に入れるかを決めやすくなります。
- 人数:同じ方向のワインを飲む人が二人以上いるか。
- 料理:前菜だけか、魚・肉料理まで進む予定か。
- 好み:軽さ、果実味、酸味のどれを求めているか。
この確認をした後なら、「今はグラスから始めて、メインで合えば次の一杯にしましょう」も、「そのお二人なら、この料理にはボトルのほうが合わせやすいです」も、押しつけではない案内になります。
ワインの説明が止まりやすい店は、銘柄知識を増やす前に、質問と返答の順番をそろえるのが近道です。飲食店スタッフ向けのワイン接客フレーズでは、忙しい時間帯にも使いやすい短い伝え方を紹介しています。
グラスとボトルの選択をテーブルで止めない

メニューが整っても、テーブルで「どちらにしますか」だけを繰り返すと、選択は進みません。料理の進み方と人数を見て、二択の理由を添えることが必要です。
特に二人客では、最初からボトルが負担に感じられることもあります。その場合は、最初のグラスを否定せず、料理が決まった後に共有ボトルをもう一度候補に出せるようにします。反対に、好みが分かれている場合は、無理にボトルへ寄せず、グラスを二人分用意する方が満足につながります。
料理に対する案内の土台がまだない店は、飲食店の料理別ワイン提案の進め方で、料理名だけでなく調理法やソースから考える順番を確認してください。価格設定とペアリングを別々にしないことで、メニューの選択肢が使われやすくなります。
衛生・提供の手順は、価格設計とは別に店内で明確にします。厚生労働省の飲食店向けHACCP情報では、手順の周知と記録・見直しが案内されています。厚生労働省の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」も参照し、開栓後の保管や提供可否は自店の衛生管理計画と管轄保健所の案内を優先してください。
店内で整える範囲とPlamelierで広げる範囲
店内で先に決めるのは、仕入れ値、提供量、グラスとボトルの価格、税込表示、出す料理、開栓後の扱いです。これらは自店の原価、客層、営業形態を知るオーナー・店長が最終判断する範囲で、一般的な数字だけで置き換えられません。
次に整えるのは、スタッフが聞く質問と返す言葉です。「軽めならこのグラス」「二人でメインまでならこのボトル」といった短い選択肢を、主力3銘柄に限定して共有します。朝礼で一度読み合わせ、実際に聞かれた質問を翌日に足す運用にします。
Plamelierでは、店内で決めた銘柄・価格帯・料理・案内の条件をもとに、スタッフが使う説明のたたき台を広げられます。価格を自動で決める道具ではなく、決めた選択肢を料理や接客の場面に合わせて説明・共有するための補助です。
まずLINE登録から、主力ワインの説明を一つずつ整えてください。最初から全リストを作り直さず、注文が止まりやすい一場面を選ぶと、現場で使える形を残しやすくなります。
まずの一歩 1週間で試す手順
価格を一度に変えると、何が注文に影響したのか分からなくなります。主力のグラス2本と対応するボトル1本だけを対象にし、表示、説明、記録を小さく試します。
- 1日目:対象の3銘柄を決め、グラスの役割、対応する料理、共有ボトルの候補を共有メモに書きます。
- 2日目:メニューでグラスと対応ボトルの距離を確認します。離れている場合は、スタッフ用メモに対応関係を一行で足します。
- 3〜5日目:スタッフは人数・料理・好みを短く確認し、グラスかボトルのどちらを案内したかだけを残します。
- 6日目:注文が止まった場面を一つ読み返します。価格、料理、説明、在庫のどこで止まったかを分けます。
- 7日目:次週に変える項目を一つだけ選びます。価格を変える週は、同時に銘柄や説明を大きく変えません。
記録は売上の細かな分析でなくて構いません。「二人でグラス二杯のまま」「ボトルを聞かれて説明できた」「料理が決まる前で案内を止めた」のように、選択が進んだかを短く残します。
この一週間のチェックリストです。
- グラスとボトルの価格表示が税込・税抜で混ざっていないか。
- 各グラスに、合わせやすい料理を一つ言えるか。
- 二人客へ共有ボトルを案内する条件が共有されているか。
- 好みが分かれる時に、無理にボトルを勧めていないか。
- 価格を変える前に、表示と説明のどちらが止まりの原因か確認したか。
飲食店の価格設定一般については、ぐるなび通信の飲食店向け価格設定解説も補助資料になります。ただし、ワインは出数、保管、料理、接客の影響を受けるため、店の記録を優先して判断してください。
よくある質問
Q1. グラスワインを安くすれば注文は増えますか?
価格だけで決めつけないでください。お客さまが味わい、料理、量を理解できていない場合は、安くしても迷いが残ります。まずは一言の説明と対応する料理をそろえ、どこで注文が止まるかを見ます。
Q2. ボトルは何人から案内すべきですか?
人数だけで固定しません。同じ方向のワインを飲み、メインまで食事を続ける二人以上なら候補に入れやすくなります。好みが分かれる時や短時間の利用では、グラスを優先するほうが自然です。
Q3. グラスとボトルの価格差はどのくらいがよいですか?
一律の正解はありません。グラスの量、ボトルの容量、原価、ロス、料理との使われ方を同じ基準で確認してください。価格差の理由をスタッフが説明できないなら、先にメニューの役割を見直します。
Q4. スタッフがワインに詳しくない場合、何から教えますか?
品種の暗記より先に、人数・料理・好みを聞く三点と、主力3銘柄の短い説明を共有します。答えられない質問を受けた時の引き継ぎ先も決めれば、営業中に判断が止まりにくくなります。
Q5. Plamelierはどの段階から使えますか?
店内で主力銘柄、料理、価格の条件が決まった後から使い始められます。その条件をもとに、テーブルで使う説明やスタッフ間の共有フレーズを整える段階に向いています。
まとめ:価格を決めた後、選べる形にする
飲食店のワイン価格設定では、グラスとボトルを別々に値付けして終わりにしません。最初の一杯、料理に合わせる次の一杯、共有ボトルという順番を作り、スタッフが料理・人数・好みから案内できるようにします。
まずは主力3銘柄で、メニューの並びと接客フレーズを一週間だけ試してください。LINE登録からPlamelierを使い始め、価格を決めたワインをテーブルで説明できる形へ整えていきましょう。
参考:サッポロビール「ご繁盛ドリンク提案本」、Google Search Central「人のために役立つ、信頼性の高いコンテンツの作成」。
この記事の内容をそのまま始めたい方へ
まずはLINE登録から、主力3銘柄の料理別説明とスタッフ用フレーズを一つずつ整え、Plamelierを使い始めましょう。


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